「クラシック音楽の発祥地」と言うとヨーロッパですが、その中でも、ドイツやオーストリアを想像される方が多いのではないかと思います。
しかし、フランスも、古くは宗教音楽に始まり、クープラン、ショパン、ドビュッシー、ラヴェルなど、多くの作曲家を育てた国です。(ショパンの出生はポーランドですが、人生の後半はフランスで過ごしました。)
また、フランスの音楽教育は、ヨーロッパの中でも高い水準を誇っています。
私がフランスに留学して感じたことには、大きく2つのことがあります。
1つ目は、ソルフェージュ教育が盛んであることです。
フランスには、国立・区立・市立の“音楽学校”があります。
この音楽学校は普通の学校ではなく、「国公立の音楽教室」のような場所で、広く多くの人が、幼い頃から優れた教育を受ける事ができるのです。
この音楽学校では、多くの生徒が、初歩レベルの子供のうちから、実技のレッスンに加えてソルフェージュの授業を受けます。
また、初めのうちはソルフェージュの授業だけを受け、徐々に専門の楽器を決めていく、という事もめずらしくありません。
2つ目は、「生徒が先生に自分の意見をしっかり言う」という風習があることです。
日本では、未だ先生のおっしゃることは“絶対”で、先生に意見する事は、失礼だという風習さえあります。
(そのため、練習する上で何も疑問を持たず、レッスンで言われたことをきちんと直し、次のレッスンに持っていく、というスタイルが非常に多いように感じます。)
しかし、フランスでは、生徒が思っている疑問を先生に投げかけ、先生と対等に議論し、その過程で、先生に答えを導いてもらったり、自ら答えを発見する、という場面が非常に多く見られます。
そのため、生徒たちは常に“なぜ?”と思う気持ち、そしてそれを解決しようと考える力が自然に身に付いています。
そして、このような「自ら考える力」が、やがては強い意志のある、自信のある演奏に繋がるのです。
当教室では、一人ひとりの生徒さんとしっかり向き合い、疑問に思う気持ちを尊重し、考える力を養っていきたいと思っています。
また、フランスのソルフェージュ教育の理念を取り入れ、ピアノだけでなく、多角的・総合的な音楽教育を含めたレッスンを行っています。